2025/10/14

10月度春日部集談会レポート

先月のブログでご紹介した「春日部アートウォーク」は、多くの方からご好評を頂きました。今回はそのパート2です。 アート作品を鑑賞した後、人はそれぞれ様々な印象を抱きます。今回は、僭越ながら、私が春日部アートを見て感じた印象を述べさせて頂きます。次回、皆さんにお会いした時に、春日部アートの印象を、是非お伺いしたいです。

風の門(峯田義郎 作)
春日部市パンフレットの解説は次の通りです。「遠い日の旅の記憶。大地に還ろうとしている太古の門が風が過ぎる。古代と現代との対比をイメージしています」。私がこの作品を見た印象は次の通りです。「彼女は、小学校低学年と、幼稚園に通う子供二人を育てるキャリアウーマン。今日は滅多にない平日の休日。その日の朝、夫と子供たちを自宅から送り出し、家事をこなした後、テラスに腰かけて物思いに耽りながら、自分自身のこれまでの人生を振り返っている」。


小さい花(黒川晃彦 作)
春日部市パンフレットの解説は次の通りです。「彫刻とその周辺の空間、そして彫刻を見る人が一つになれるよう、少女とベンチ、小さい花の鉢で製作しました」。私がこの作品を見た印象は次の通りです。「彼女は生まれつき目が見えませんが、周りのみんなに『この花は、とても美しい』と伝えます」。私は、職業柄、身体にハンディを抱えた方にお会いしますが、感性の豊かな方がとても多いです。

巣立ち(加藤豊 作)
春日部市パンフレットの解説は次の通りです。「少女の指先から、小鳥が今飛び立とうとしています。巣立っていく小鳥は、少女の希望に満ちた未来を表しています」。この解説をみて、私も同じ印象を受けました。


春日部市内のアート作品は、日本を代表する作家が制作したものです。作品を設置した自治体の方々に敬意を表します。普段の生活の中で、気軽にアート作品に触れることができる春日部市民の皆さんが、とても羨ましく感じました。

10月度春日部集談会は、5日㈰13時から開催されました。


今回は、和室で開催しました。

参加者は、女性4名、男性6名(うち初参加者は無し)、合計10名でした。

スケジュールは次の通りでした。
 13:00~14:00 自己紹介
 14:00~14:15 休憩
 14:15~14:30 リラックスタイム
 14:30~15:30 学習
 15:30~16:25 分科会

出席者が順番で、自己紹介と一か月間の近況報告を行いました。嬉しかったこと、大変だったことと様々でした。
「体調不良を感じ、病院へ行き検査を受けましたが、異常がなくて良かったです」
「朝日を浴びたり、散歩をしたりして、意識的に気分転換を図っています」
「漢方薬専門のクリニックを受診し、漢方薬の服用を始めました」
「仕事が多忙で、2つ以上の仕事を同時に進めることがあり、焦る時がありますが、最終的に結果を残せています」
「今日は四連休中の三日目で、とてもリラックスしています」
「森田療法を学び始めて、その厳しさを感じています。自分の症状が解放されることを信じて、しばらく続けてみます」
「皆さんの意見を聞くことにより、自分の励みになっています」
「最近、職場に社員が一人入社して良かったです」

リラックスタイム:
出席者全員が起立して、ストレッチ体操を行いました。体操を終える頃には、日頃蓄積した疲労感から解放される気分になりました。

学習時間:
テキストは、生活の発見誌10月号の「生ing うつ病のQ&A②(北西憲二先生の講義)」を使用しました。最初に出席者で輪読しました。その後、当日学習担当のトシ氏が、テキストをもとに、自分の体験談を発表しました。

トシ氏の発表内容:
私は、現在55歳で、20歳前後からずっと社交不安症を抱えています。私の症状は、テキスト31頁目に出ている、神経症性うつ病に該当すると思います。北西先生によれば、この神経症性うつ病は、慢性的でダラダラと良くなったり、人生の色々な出来事に遭遇して悪くなったりするのが特徴だそうです。こういったうつ病は、いわゆる抗うつ剤という薬の効果が見られず、薬よりも精神療法、カウンセリング、環境の調整といったものが、重要な治療法になるそうです。
私は、これまでの自分自身の体験を通して、北西先生のこの考えに共感します。私は20歳前後の大学生時代から、社交不安症を自覚するようになりました。社会人になってからも、サラリーマン生活を送りながら、心療内科へ定期的に通院し、パキシルといった薬を処方して貰い、服用しながら、生活を送っていました。しかし、薬の効果をあまり実感できず、自分の勝手な判断で、薬の服用を止めてしまうことがありました。
私は、2023年2月に春日部集談会に入会した頃から、自然に医療機関を受診することは無くなりました。それは、集談会参加のお陰かどうかは、わかりません。
私は、2024年11月号生活の発見誌の「私が初めて集談会に参加した日」に、自分の体験談を投稿させていただきました。
私が春日部集談会に初めて参加した時に、出席者の多くが私と年齢が近く、自分と似た症状を抱えていることを知り、私の抱える症状は、自分一人だけではないということを感じるようになりました。北西先生は、「薬の服用よりも、精神療法、カウンセリング、環境の調整が重要である」と述べています。私は、集談会に参加して、お互いに質問を交わしたり、アドバイスを貰ったりすることは、北西先生が言うところの「カウンセリング、環境の調整=集談会へ参加」と拡大解釈して良いと考えるようになりました。
しかし、神経症性うつ病は、慢性化しやすいのが特徴なので、私には、また何時かうつ病が再発して、心療内科を受診する時がやって来るかもしれません。しかし、この春日部集談会に入会してからの2年8カ月間、私の症状は、比較的安定しているので、これからも集談会に参加する生活は続けて行こうと思います。

トシ氏の発表の後に、出席者全員で、意見交換を行いました。とても有意義な時間でした。

分科会:
A班(5名):
お互いの症状を、ざっくばらんに語り合いました。とても楽しい時間でした。
B班(5名):
「生の欲望と不安」について、意見交換を行いました。このテーマに対する唯一の答えはありません。とても難しいテーマですが、森田療法に精通したN.Aさんが、自分の体験談を交えながら、分かりやすく解説してくれました。とても有意義な時間でした。

今月の集談会について、参加者から次のような感想を頂きました。
「集談会は、お互いの症状、体験を共有できるので、とても尊い場所です。(トシ/男性)」
「症状はそれぞれ異なっても、うつや不安は、皆さん大なり小なり抱えて生活しており、自分のそういう思いを聞いたり、話したりすることは、心の健康保持に繋がります。集談会はそういう場所であることを、あらためて感じました。(なちゃん/男性)」
「今回もとても活発な議論が行われました。森田療法の神髄である『あるがまま』について、色々な意見が出ました。『自分を許す』、『共存』という言葉が出て、再認識できました。ありがとうございました。(M.Iさん/女性)」
「集談会に参加する意義がわかりました。発見誌にあるように、『人の話を聞き、自分のことを話す』ことが出来るのが、集談会の良い所だと実感しました。(匿名希望/男性)」

末筆ながら、この季節は、気候も味覚も最高の時期です。

英気を養って、11月の春日部集談会で、また元気にお会いしましょう。
以上